インターネットのおはなし
中央学院大学商学部専任講師 高橋 律
1.インターネットの歴史
(1)1969年 米国防省高等研究計画局の実験ネット(ARPANET)
冷戦下の核攻撃を想定した情報を分散して管理する研究
↓
TCP/IP通信プロトコルの開発
(2)1992年 スイスの素粒子物理学研究所がWWW(world wide web)を開設
文字や画像、音声を取り扱える情報検索システムの誕生
(3)ブラウザの利用・・・・「インターネット・エクスプローラ」や「ネットスケープ」
チャットや掲示板の利用
電子会議、等々
例.全国規模高校生チャットプロジェクト(http://village.infoweb.ne.jp/~tsuzuku/index.htm)
2.インターネット、サクセスストーリー
(1)アマゾン・ドット・コム社(http://www.amazon.com/)
1995年、アメリカ人ジェフ・ベゾスによって創業。彼はニューヨークの投資銀行で働いていたが、年率2400%で成長するインターネットに目をつけ事業を思い立つ。何をオンラインショッピングすればいいのか検討し、書籍に目をつける。
そして、シアトルの自宅ガレージ(車庫)で細々と書籍販売を始めた。それから1年は、問屋との交渉や資金集めなど、会社のシステム構築に費やした。そして、ビジネスを始めると倍々ゲームで売り上げが伸び、今では世界160カ国に顧客を持ち250万のタイトル数をかかえる世界最大の書店に成長した。
(2)電子商店街「楽天市場」(http://www.rakuten.co.jp/ )
日本で最も売れている電子商店街
●現在1700社が出店、月々わずか5万円の出店費用で1000万円売る店も!
インターネットを利用する人なら知らない人はいない」サイバーモール。
数々ある電子商店街の中で、認知率、購入率はダントツのNo.1('99年7月NTT-X、三菱総合研究所調べ)
〔認知率/第1位楽天市場63.9%、第2位のSo−netショッピングモール56.9%〕
〔購入率/第1位楽天市場 9.6%、第2位のSo−netショッピングモール 1.7%〕
1997年2月設立、店舗編集、顧客管理、マーケティング分析などの業務支援を行い、
簡単に出店できることで好評を得、躍進中。
3.ネットワーク利用の悪質商法とは?
(1) インターネットショッピング等における詐欺
「代金を振り込んだのに商品が送られてこない」とか
「商品を送ったのに連絡が取れない」といった詐欺事件が増加しています。犯人は、他人のIDやパスワードを使用(なりすまし)したり、架空名義の振込口座を開設するなどの工作をした上で、金品を騙し取り、その後はネット上から消滅(雲隠れ)することが多いので注意しましょう。
(2) ネズミ講とマルチ商法
「ネズミ講」は、一定の金額を負担して組織に加入し、新たな会員を加入させて「ネズミ算」式に組織を拡大すれば、大きな利益が得られるという金銭配当組織で法律で禁じられています。また、このような組織拡大システムに物品販売等を巧妙に絡ませたものが、マルチ商法、マルチまがい商法と呼ばれるもので、不必要な商品を購入させられるトラブルが生じやすい商法です。最近は、これらをインターネットを利用して勧誘するケースが増加していますので注意しましょう。
(3) その他
この他にも、抽選で高額懸賞金が当たるとの触れ込みで会員を募集するものや、内容や意味が分からないままクリックしていたら、知らないうちに国際電話に接続され、後で高額の通話料金を請求されたというもの等、インターネットやパソコン通信を利用した新たな形態の悪質商法が次々に出現しているので注意しましょう。
例1.知らないうちにダイヤルQ2
Q 電話会社から突然多額のダイヤルQ2の料金が請求された。インターネット使用中に利用したはずというが、有料情報は一切見ていない。支払拒否をしたら、情報提供会社から請求させるという。支払う必要があるか。
A トラブルの原因は、インターネットの無料アダルト情報等をダウンロードしたとき、利用者の接続先電話番号が勝手に変えられ、ネット利用のすべてが特定のダイヤルQ2を通してつながるように仕組まれることによります。
こうした犯罪的組識集団が関与していると思われるダイヤルQ2の請求は、電話会社に「支払拒否かつ利用者名通知拒否」の手続きを即刻行い、書き換えられた接続先を元に戻す必要があります。国際電話接続トラブルと同じ手口です。
例2.「突然のメール」
はじめまして、突然のメールをお許しください。〜中略〜 大物優良企業のTOP5000のディストリビューターになれるチャンスなのです。既に仮登録が始まっており、今すぐにでもグループを作っていくことが可能です。 そして紹介者0人でもボーナス取得権利があるのです。 ・LV3まで埋まっているとして、紹介者0人で$804のボーナス。 ・LV4まで埋まっているとして、紹介者1人で$3364のボーナス。 ・LV5まで埋まっているとして、紹介者2人で$13604のボーナス。 他にもボーナスプランは豊富です。 〜後略〜 |
※被害に遭わないために、次のことに注意しましょう。
・自分のID、パスワード等個人情報の盗用、流出に注意する。
・業者の選択に気をつけ、信用できる業者と取引をする。
・意味や内容が分からないまま、「YES」部分等をクリックしない。
・前払いや代金引換郵便での代金決済方法には特に注意する。
・クレジットカード決済はセキュリティーを確認し、カード番号等をむやみに送信しない。
・インターネット情報の信用性に注意し、うまい話は信用しない。
・トラブルに合ったら、すぐに、警察、消費生活センター等に相談
する。
4.コンピュータウィルスの脅威
■ウイルス最新情報例
【ウイルス名】TROJ_PRETTY_PARK
【破壊活動】 ファイルを作成する、その他
■ウイルス詳細
<感染方法>ネットワークやE-Maiを通じて他のマシンに増殖を広げていくタイプで、このプログラムが実行されると、
他のアプリケーションが実行されるときに、必ずプログラムが実行されます。
<損害>このプログラムが実行されると、メールでプログラム作成者にシステム情報とパスワードを送信します。このプログラムを通じて、ユーザのマシンから、インターネットに接続するためのダイアルアップ先の電話番号、ログイン名、パスワード、登録番号、システムのドライブとディレクトリ情報を取得できます。また、ユーザのマシンのファイルやディレクトリを勝手に作成/削除し、プログラムを勝手に実行します。
ウィルス対策ソフト販売会社(トレンドマイクロ社)の株価(過去1年間)
株価収益率 1,322.03倍
(1)連続アタック
ハッカーはどんなシステムに対しても、まずはパスワードを破ることから始めます。その方法とはそのID所持者の個人情報からパスワードを予想し、
何度もログインを繰り返すという単純なものです。これを連続アタックといいます。
私たちはパスワードを覚えやすいものに決めたいものです。例えば誕生日、電話番号、好きなアーティストなどですが、こうした個人情報に依存したパスワードほど危険なのです。個人情報は知らないところから漏れているものですし(名簿などがよい例)、パソコン通信ではプロフィールを見れば簡単に手に入ります。しかしハッカーは夜寝ている間にでも、自動でログインを繰り返すソフトを作ったりして、手間を省いています。
(2)セキュリティホールの利用
パスワードを盗む方法に
セキュリティホール(バグ)を利用するものもあります。手口としてはまずセキュリティホールなどを利用し、IDとパスワードを盗みます。次にセキュリティホールを利用して特権ユーザー権利を獲得し、侵入者のログが残らないように設定を変え、そのシステムを思うように操作できるようになるわけです。